百済の面影・扶餘の旅

扶餘を楽しむ(見どころ)

国立扶餘博物館:국립부여박물관

  • 住所忠清南道扶餘郡扶餘東南里16-1
  • 電話番号(041)833-8562・8563 FAX(041)834-6321
  • ウェブサイトhttp://buyeo.museum.go.kr
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百済時代専門の博物館である。

忠南地域の考古・美術関連遺物、約15000点を所蔵しており、そのうち約1000点を展示している。博物館の建物は仏教の象徴である「卍」の形で、中央ホールを中心点に進入路、展示室、管理室などが広がった羽のように連なった形状をしている。

リニューアル後は展示内容が大幅に充実し、展示方法にもさまざまな工夫が加えられた。百済文化の研究と調査、保存に中枢的な役割を果たしている。

  • <利用情報>
  • 開館時間9時~18時(土・祝19時まで)閉館1時間前までに入場
  • 入館料無料
  • 休館日:毎週月曜、1月1日

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※国立扶餘博物館:국립부여박물관の見どころ※

百済金銅大香爐:백제금동대향로(指定番号:国宝第287号)
1300年前、7世紀末に製作されたものと推定される、高さ61.8センチ、重さ11.8キロの大型香爐である。1993年、陵山里(ヌンサンリ)の寺の跡地で発掘された百済時代の代表的な文化財である。今にも飛び立つかのような鳳凰の姿が印象的だ。
蓋には23個の山が4~5重に重なった風景を見せている。笛や琵琶、鼓などを演奏する5人の樂士や武人像、騎馬狩猟像など16人の人物像、また鳳凰や龍を始めとする想像の生き物や、鳥、虎、鹿など39匹の現実世界の動物が精巧に彫刻されており、当時の優れた鋳造技術と鍍金技術を伝える傑作だ。生き物だけではなく、樹木や岩、山道、小川、滝、湖なども生きいきと表現されている。
脚部は香爐本体を頭をもたげて支える竜になっている。蓋の上部にある鳳凰は如意宝珠を首にかけて翼を広げているが、長い尾の柔らかな表現は百済的な特徴とも言える。鳳凰の胸や樂士像の前後には五つの穴が空いていて、中から香の煙が出てくるように工夫されている。
百済時代の工芸や美術文化、宗教と思想、製造技術までが把握できる貴重な作品である。
金銅弥勒菩薩半跏像:금동미륵보살반가사유상(指定番号:国宝第83号)
頭部に三面が丸い山模様の冠をかぶっていることから「三山半跏思惟像」とも呼ばれる。顔立ちは豊満で、まぶたや口元には微笑みを浮かべている。上体には衣をつけず首に二本のネックレスがあるほかは何の飾りもない。左足は下ろして小さい蓮の花模様の薹座を踏み、右足は左足の上に乗せている。頭の後ろの長い棒からかつては光背があったことがわかる。
単純ながら均衡感のある身体表現や立体的に表現された服の皺等が彫刻品としての完璧な鋳造技術を見せている。国宝第78号である金銅弥勒菩薩半跏像より製造年代は遅く、三国時代後期に作られたと思われる。
現在国立扶餘博物館にある遺物は複製品で、実物は国立中央博物館にある。
虎子(ホジャ):호자
虎の形の土器で男性用携帯便器として用いられたと思われる。
注入口の上は大きく開けられた虎の口で、写真では見えにくいが上部には目と鼻も描写されている。王室の貴族の生活用品。

(2011年10月1日掲載)

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